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速いパッセージをきれいに弾くための練習法

こんにちは!大塚駅から徒歩2分、ミュージックアカデミーラファーレピアノ講師の新林です。
速いフレーズを弾くとき、「指がもつれる」「音が濁る」「テンポが安定しない」
そんな経験をしたことはありませんか?
速いパッセージを美しく弾くためには、スピードではなく“動きの整理”と“コントロール力”が大切です。

今回は、速い部分をきれいに弾くための具体的な練習法を紹介します。

速く弾く=力を入れるではない

「速く弾こう」と思うと、どうしても力が入ってしまいがちです。
でも実際には、速く弾くためには余計な力を抜くことが何より大切。
筋肉が緊張すると、指や手首がスムーズに動かなくなり、結果的にスピードも音の粒も乱れてしまいます。
軽く脱力させた状態で腕や手首を柔らかく保ちましょう。

特に注意したいのは、“鍵盤を押しすぎない”こと。
鍵盤の底まで一瞬で押すのではなく、「鍵盤の反発を感じながら支える」くらいの意識が理想的です。

ゆっくり練習がいちばんの近道

速く弾けるようになりたいなら、実は「ゆっくり練習」が最短ルートです。
速く弾けない理由の多くは、指の動きやリズムの“ズレ”が潜んでいるため。

  • 指の動きが正しいか
  • 音の粒がそろっているか
  • 次の指の準備ができているか  を一音ずつ丁寧に確認しましょう。

メトロノームを使って、少しずつテンポを上げていくのが効果的です。
「速く弾けるようになった!」と感じたときこそ、もう一度ゆっくり戻すと、さらに安定します。

小さな単位で区切って練習する

長いパッセージをいきなり通して練習するよりも、
2〜4小節ずつ区切って反復する方が効率的です。
たとえば、難しい部分だけを切り取って10回ほどゆっくり練習し、
そこが安定したら前後をつなげていく――この積み重ねが確実な上達につながります。

また、「右手だけ」「左手だけ」で動きを確認するのも有効。
特に左手のリズムが乱れると、全体のテンポが崩れやすいので要注意です。

均等な音を意識する

速く弾くときこそ、音の粒をそろえる意識が大切です。
力の入れ方や鍵盤の深さがバラつくと、音が濁ってしまいます。

おすすめなのが、「左右の音の大きさを聴き比べながら弾く」練習。
特に、音量を控えめにして弾くと、細かいタッチの違いに気づきやすくなります。
耳をよく使いながら、音の粒を整えていきましょう。

指の独立と柔軟性を育てる

速いパッセージを支えるのは、しなやかに動く指です。
前回紹介した「指の独立」トレーニングは、この力を養うのにぴったり。

机の上で1本ずつ指を持ち上げたり、ハノンのスケールをゆっくり弾いたりして、
指先のコントロールを丁寧に育てましょう。
また、手首や腕の動きも連動させることで、速いフレーズがより滑らかになりますよ。

完璧よりも“流れ”を意識する

速い部分は、「正確に弾こう」と思うあまり、動きが硬くなってしまうことがあります。
でも大切なのは、一音一音の正確さよりも音楽の流れです。

メロディの方向やフレーズのまとまりを感じながら弾くと、
自然と力が抜け、音の流れもスムーズになります。
「走るように」「波のように」など、自分の中でイメージを持って練習してみると、
速いパッセージもぐっと音楽的に仕上がるようになります。

まとめ

速いパッセージをきれいに弾くために大切なのは、

  • ゆっくり練習を大切にすること
  • 小さく区切って確実に仕上げること
  • 音の粒と流れを意識すること
  • 力を抜くこと
  • 指の独立と柔軟性を育てること

焦らず、一歩ずつ積み重ねていけば、
自然と指が動き、速い曲も気持ちよく弾けるようになります。
ピアノは“速さ”より“美しさ”。
自分の出す音をよく聴きながら、流れるような美しい演奏を目指していきましょう。

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