昔のピアノと今のピアノ
こんにちは!池袋駅から1駅!ミュージックアカデミーラファーレの堀川です。
あっという間に10月になりましたね。
さて、私たちが普段見ているピアノは、実は最初からこの形だったわけではありません。
音楽の歴史とともに、形も音もガラリと変わってきました。
今回は、モーツァルトたちが生きていた時代の「昔のピアノ」を主役に、今のピアノと何が違うのか、なぜ姿を変えたのかを、分かりやすくご紹介します。
1.モーツァルトの時代のピアノは「軽くて優しい」楽器だった!

今回の主役である約250年前のピアノ(フォルテピアノ)は、今のものとは全く違う、とても繊細な楽器でした。
・木で作られた、軽くて優しい楽器: 当時は中に鉄の枠がなく、中も外もほとんどが「木」で作られていました。
そのため、中にかかっている力も優しく、楽器自体も軽やかでした。
・鍵盤が「軽くて浅い」: 鍵盤のサイズは今より少し小さく、触るとびっくりするほど「フワッと軽く」沈みます。
鍵盤が下りる深さも今の半分くらいしかなかったため、指先をほんの少し動かすだけで、すばやくおしゃべりするように反応してくれるのが特徴でした。
2.今のピアノと比べてみよう!

この昔のピアノと比べると、いま私たちがレッスンやコンサートで弾いている現代のピアノは、「ものすごくパワフルで、どっしりとした楽器」と言えます。
・とても頑丈で、強大な力がかかっている: 遠くまで大きな音を響かせるために、中には太い金属の線(弦)がギッシリと張されています。
その引っ張る力は大型トラック数台分(約20トン)にもなり、それを支えるために頑丈な「鉄の枠」が使われています。
・鍵盤が「重くて深い」: 昔のピアノに比べて、中の仕組みが大きくしっかり作られているため、鍵盤を押したときの感触は「重く、深く」なっています。
3.なぜ変わったの?理由はピアノを弾く場所の「広さ」の歴史にある

では、なぜピアノはこれほど大きく変化したのでしょうか?その理由は、音楽を聴く「部屋の広さ」が変わったからです。
昔、モーツァルトの時代は、貴族のお家にある「小さなサロン」のような場所で、少人数の前でピアノを弾いていました。
だから、大きな音よりも、近くで聴いて心地よい、優しく細やかな音が必要だったのです。
ところが時代が進むと、たくさんの一般の人たちが、大きな「コンサートホール」に集まって音楽を楽しむようになります。
広いホールの後ろの席まで音を届けるため、そしてたくさんの楽器が集まるオーケストラに負けないために、ピアノは「もっと大きな音が出るように、もっと力強く」と進化して、今の姿になりました。
4.現代のピアノに合わせた弾き方の例
楽器のキャラクターが「軽くて繊細なもの」から「重くてパワフルなもの」へと変わったので、弾き方のコツも変わります。
・昔のピアノの弾き方: 鍵盤がとても浅くて軽いので、指先をパタパタとすばやく、細かく独立させて動かすような弾き方がぴったり合います。
・今のピアノの弾き方: 今の重い鍵盤を、昔のピアノと同じように指先の力だけで一生謙命に押そうとすると、良い音が出ないばかりか、指を痛めてしまいます。
今のピアノを綺麗に響かせるコツは、指の力で叩くのではなく、「腕全体の重さを、鍵盤にそっと乗せる(預ける)」ことです。
自分の腕の重みを利用して、ピアノが持つパワフルな力を楽に引き出してあげるのが、今の弾き方の大切なポイントです。
まとめ
今のピアノと昔のピアノを比べると、形も弾き方も違いますが、どちらもその時代の音楽に合わせた最高の工夫がつまっています。
モーツァルトたちの名曲は、あの「軽くて優しい昔のピアノ」から生まれました。
その曲を、今の「重くてパワフルなピアノ」で素敵に演奏するためには、楽器の歴史を知って、今のピアノにぴったりな身体の使い方(腕の重みを使うこと)をしてあげることが大切です。






