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楽譜に書いてあるのはどこの国の言葉?

こんにちは♪
フォルテ、ピアノ、クレッシェンドなど…
みなさん楽譜で1度は見たことあるであろう数々の言葉ですが、これらが一体どこの国の言葉なのかご存知ですか?
音楽は音名や速度記号など、楽語のほとんどがイタリア語です!
しかし、ここで面白いことにクラシックを専門的に学ぶ学生、すなわち音大生は「ドイツ音名」を使って勉強します。
「ドイツ語とイタリア語、なぜ混ぜて使ってるの?」
「統一しないの?」
今回は、そんな音楽をする上で必ず関係してくる言語についてお話して行きたいと思います♪

音名について

一般的な音名はドレミファソラシド(イタリア語)ですが、これがドイツ音名であるとかなり便利になってきます…!

どういうことかと言うと…
イタリア音名であった場合、シャープやフラットなどの記号がついている場合には「ドのシャープ」と言ったように文字数がかなり増えてしまいます。
しかしドイツ語ではシャープであった場合、「is」を付けるだけでいいので「Cis=ツィス」「Dis=ディス」といったように簡単に表現できるのです!
フラットの場合は「es」を付けるだけなので「Ces=ツェス」「Des=デス」となりますね。

このシャープやフラットなどの変化記号がついている音を「派生音」といいます。
ドイツ音名には派生音にも1音ずつ固有の音名が付いているため、毎回シャープ・フラットという言葉を足す必要がありません。
このことから、短い言葉で表せるドイツ音名の方が便利と言われているんですね♪

なぜイタリア音名が主流なの?

西洋音楽は中世〜ルネサンス期に教会で発展していき、トップの教皇庁がローマにあった為、イタリア語が主流でした。
そのため、各地で活躍した作曲家や演奏家は教会関係の出身者がほとんどだったのです!
17世紀に入ると、音楽自体や演奏の指示を書き残す方法「記譜法」が現在の「五線」という形に定着しました。
優れた作曲家や演奏家が各国の教会や貴族のもとで活躍し、イタリアの音楽が記譜法と共に広がっていったのです。
このような時代背景があったことからクラシック音楽がイタリアを中心に栄えていた為に、イタリア音名が主流となっていきました。
しかし、古典派後期からロマン派時代になるとイタリアよりもドイツ音楽が全盛を迎えたため、音楽用語のドイツ語化が進み、専門家はドイツ音名を使うようになりました。
自国の言葉で表現した作曲家もたくさんいますよ!
ドビュッシーやラヴェルはフランス語で書かれていますし、マーラーはドイツ語で細かい指示が書かれています。
一見1つの言語だけかと思いきや、意外と色んな言語が使われているなんてびっくりですよね!

いかがでしたか?
普段聞き慣れている「ドレミファソラシド」が実はイタリア読みである!ということが、1番大きな発見となったのではないでしょうか…!
イタリア語、ドイツ語、フランス語…とたくさんの言語が出てきましたが、これらの言語を習得しなければならないという訳ではありません。
楽譜に書いてあったらその都度調べて楽譜にメモする、という方法で大丈夫です。
楽語は演奏をより素敵なものにするための大切なヒントなので、ぜひ活用して1ステップ上の音楽にしていきましょう♪

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