約5.7メートル⁉世界で一番大きいピアノについて
こんにちは!山手線大塚駅から徒歩2分ミュージックアカデミーラファーレ ピアノ講師の東出です。
「ピアノ」と聞くと、私たちはだいたい同じ形を思い浮かべます。
でも実は、“世界で一番大きいピアノ”と呼ばれる、とても特別なピアノが存在します。
それがアレクサンダーピアノです。
今回は、その誕生の背景や特徴をご紹介します♪
驚くほど大きなピアノ
アレクサンダーピアノの最大の特徴は、その大きさです。
長さは約5.7メートル(約19フィート)。
一般的なコンサートグランドピアノ(約2.7メートル)と比べると、2倍以上の長さになります。
(写真は一般的なコンサートグランドピアノ。写真に2倍くらいんの長さ)
写真を見ると、「これが本当にピアノ?」と思ってしまうほど。
鍵盤の位置から楽器の端までがとても遠く、まるでピアノというより“建築物”のような存在感です。
制作者は10代の若者だった
このピアノを作ったのは、エイドリアン・マン(Adrian Mann)氏。
驚くことに、彼は15〜16歳ごろからこの巨大なピアノの制作を構想し、
そこから約4年半をかけて制作を進めました。
そして2009年、ついにアレクサンダーピアノは完成します。
10代から始まったひとつの挑戦が、世界中で注目されるピアノへと形になったのです。
納屋で作られた世界一のピアノ
制作場所もとてもユニークです。
アレクサンダーピアノは、
ニュージーランドのティマル(Timaru)近くにある農家の納屋で作られました。
エイドリアン・マン氏は、
数台のアップライトピアノを解体し、
構造を研究しながら、少しずつ設計を組み立てていきました。
大きな工場や最新設備ではなく、
身近な材料と試行錯誤の積み重ねによって生まれた、
とても“手作り感”のある世界一のピアノです。
なぜ、そこまで大きくする必要があったの?
理由はとてもシンプルです。
「低音を、より自然に、より美しく鳴らしたかった」から。
ピアノの低音は、
弦が長ければ長いほど、無理なく振動し、深く澄んだ響きになります。
通常のピアノではサイズの制限があるため、
低音弦を折り返したり、太くしたりして工夫しています。
アレクサンダーピアノでは、そうした妥協をせず、
非常に長大な低音弦をそのまま使える設計にしました。
その結果、重たいだけではない、クリアで重厚な低音が生まれたのです。
音が教えてくれる大切なこと
このピアノは、ただ「大きくてすごい楽器」ではありません。
私たちに、こんなことを教えてくれます。
無理をすると、音がにごってしまう、、しかし脱力していて余裕があると、自然に音が響いてくれる
これは、ピアノの練習にも通じる考え方です。
力いっぱい鍵盤を押すより、
よく聴いて、落ち着いて音を出す方が、
美しい響きになることは多いですよね。
アレクサンダーピアノは、
「音を大切にする」という姿勢を、
その大きさそのもので表している楽器とも言えます。
おわりに
世界で一番大きなピアノ、アレクサンダーピアノ。
それは、若い制作者の探究心と、「本当にいい音とは何か」を追い求める気持ちから生まれました。
音楽の世界には、まだまだ不思議なことがいっぱいです。 これからも一緒に、ワクワクする発見をしていきましょう!






