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音楽の専門家ならではの視点から、さまざまな内容で記事を掲載していきます。

音楽の父と呼ばれる バッハ

こんにちは!大塚駅から徒歩2分、ミュージックアカデミー ラファーレの堀川です。
夏の名残を感じながらも、少しずつ秋の空気が近づいてきました。

さて、音楽室の壁に、立派なカツラを被って真面目そうな顔でこちらを見ている肖像画がありますね。
あのおじさんが、ヨハン・セバスティアン・バッハです。
「音楽の父」と呼ばれる彼は、今の私たちが聴いている音楽の「土台となるルール」をたった一人で完成させてしまったような、とてつもない人物なのです。

■右手と左手が「別々の歌」を歌い出す

バッハの音楽がなぜ「音のパズル」と呼ばれるのか。その秘密は、彼の音楽の組み立て方にあります。
普通の曲は「右手がメロディ、左手は伴奏」という形が多いですが、バッハは違います。
右手も左手も、時には足までもが、それぞれ別の「歌」を歌いながら、同時に進んでいきます。
一方が上がれば一方は下がる。一方が細かく動けばもう一方は音を伸ばす。
どの瞬間を切り取っても完璧な響きになるよう、まるでパズルのピースをはめるように緻密に設計されているのです。
これは、頭の中で複数の物語を同時に追いかけるような、とても高度で知的な面白さにあふれています。

■「親指」を使って、もっと楽に、もっと自由に

このパズルを解き明かす楽しみは、演奏する私たちの「指と体」にも直結しています。
バッハは作曲家であると同時に、優れた楽器のエンジニアでもありました。
新しいオルガンが完成すれば真っ先に呼ばれ、「この楽器は十分に息を吸い込み、良い響きを遠くまで届けられるか」を厳しくチェックしました。
音への誠実さが、そのまま楽器へのこだわりになっていたのです。
また、複雑なメロディをスムーズに弾くために、当時はあまり使われていなかった「親指」を積極的に使う新しい指使いを広めたのも彼です。
私たちが今、自由に指を動かせるのは、バッハが人間の体の仕組みを深く研究してくれたおかげなのです。
彼は20人の子供を持つお父さんでもあり、家族が楽しく練習できるようにと書き残した数多くの曲は、今も世界中の子供たちの教科書になっています。

バラバラな音が「ひとつ」に重なる瞬間

バッハの整った音楽に向き合うことは、バラバラだった音のパーツを、自分自身の「頭と体」で一つひとつ正しい場所へ積み上げていくような、贅沢な時間です。
最初は指がこんがらがるかもしれませんが、ある瞬間、メロディ同士がカチッとかみ合い、一つの大きな響きに変わる喜びは格別です。
感情を爆発させるのとは違う、「整えられた音がもたらす深い安心感」。
少し涼しくなった空気の中で、バッハが仕掛けた美しいパズルに挑戦してみてください。

まとめ

1人で弾いているのに、まるで二人の人が歌っているみたいに聞こえる。それがバッハの不思議で面白いところです。
右手のメロディと、左手のメロディの「追いかけっこ」を自分の耳で追いかけながら弾いてみると、今まで気づかなかった素敵な響きがきっと見つかります。
自分の指から生まれる「音の重なり」をじっくり味わってみてください。
2つの歌がカチッとかみ合う瞬間を体感できれば、ピアノを弾くのがもっともっと楽しくなりますよ。

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