ピアノの中ってどうなってるの?音が出るしくみをのぞいてみよう
こんにちは!
大塚駅から徒歩2分の音楽教室、ミュージックアカデミーラファーレ ピアノ講師の東出です。
ピアノを弾いていると、当たり前のように音が鳴りますよね。
でも、ふと考えてみると「どうやって音が出ているんだろう?」と思ったことはありませんか?
ピアノの中には、目には見えないけれど、たくさんの工夫と仕掛けが詰まっています。
今日は、そんなピアノの“中の世界”を少しだけのぞいてみましょう。
ピアノの中には何があるの?
ピアノのふたを開けると、中にはたくさんの「弦(げん)」が張ってあります。
実はピアノは“弦楽器(げんがっき)”の仲間でもあるのです。
バイオリンやギターと同じように、弦が震えることで音が生まれます。
けれどピアノは、弦を指で弾くわけではありません。
鍵盤を押すと、ピアノの中にある「ハンマー」と呼ばれる小さな部品が、その弦を“ぽんっ”と叩くのです。
このハンマーが弦を打つことで、弦が震え、音が出ます。
つまりピアノは、「弦を打って鳴らす楽器」=打弦楽器(だげんがっき)なんです。
「打つ」と書くと力強い感じがしますが、実際にはとても繊細な仕組み。
強く叩けば大きな音、優しく触れれば柔らかい音が出るようにできています。
それでは、ハンマーのしくみについて説明しましょう♪
ハンマーのしくみはまるで小さなロボット!
鍵盤を押すと、その下にある細かい部品たちが一斉に動き出します。
その動きが「アクション」と呼ばれるメカニズム。
これがまるで小さなロボットのように正確に動いて、ハンマーを弦に当てたり戻したりしています。
ハンマーが弦を打ったあとは、すぐに元の位置に戻らなければ次の音が出ません。
ピアノの中では、何十本もの小さなレバーやバネが息を合わせて動き、
次の音を準備しています。
だからピアノは、速い曲でも、軽やかなトリル(連打)でも、正確に応えてくれるんですね。
弦の数は88本じゃない!?
「ピアノは鍵盤が88こあるから、弦も88本?」と思う方もいるかもしれません。
実はそうではありません。
ピアノの中には200本以上もの弦が張られています。
高い音は1つの音に3本の細い弦が使われ、
中音は2〜3本、低音になると太くて長い弦が1本だけになります。
同じ音をいくつかの弦で鳴らすことで、音に厚みや豊かな響きを生み出しているのです。
この工夫のおかげで、ピアノはたった一人で演奏しても“オーケストラのような音”が出せるんですね。
響きを広げる「響板(きょうばん)」の役割
弦が震いただけでは、音はまだとても小さいものです。
そこで登場するのが、弦の下にある大きな板「響板(きょうばん)」です。
この板が弦の振動を受け取り、空気全体に響かせてくれるのです。
ちょうど、ギターの胴体が音を増幅するのと同じ仕組みです。
この響板があるおかげで、ホールいっぱいに広がるような美しい音が生まれます。
ペダルの不思議な力
ピアノの下についている3本のペダル。
これも音の響きに大きく関係しています。
特に右のペダル(ダンパーペダル)は、鍵盤を離しても音をのばす仕組み。
弦を押さえている「ダンパー」という部品が上がることで、弦が自由に響き続けるのです。
だから、ペダルを使うと音がつながり、ふんわりとした空気感が生まれます。
まるで絵の中の“ぼかし”のように、音の世界をやさしく包んでくれるのです。
ピアノの中はまるで小さな工場
こうして見てみると、ピアノの中はまるで小さな工場のよう。
鍵盤、ハンマー、弦、ペダル…すべての部品が息を合わせて動いています。
ひとつでも狂うと、思うような音が出ません。
だからこそ、調律師さんが丁寧に点検し、整えてくれているんですね。
ピアノは見た目がシンプルでも、中身はとても複雑で精密な楽器です。
その中で起きている“音の魔法”を想像しながら弾くと、
1音1音がもっと愛おしく感じられるかもしれません。
まとめ
ピアノの中を知ることは、音をもっと大切に聴く第一歩です。
「この音はどんな仕組みで鳴っているんだろう?」
そう思いながら弾くと、今までよりも豊かな響きが感じられるはず。
私たちが鍵盤にそっと触れるたび、
その向こうでは、小さなハンマーたちが一生懸命働いてくれています。
そう思うと、ピアノという楽器が少し特別に見えてきませんか?






