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歌うように弾くには?フレーズの作り方と意識するポイント

こんにちは!都電荒川線大塚駅から徒歩2分、ミュージックアカデミーラファーレピアノ講師の新林です。
ピアノのレッスンでよく耳にする言葉のひとつに、「もっと歌って」「歌うように弾いて」 という表現があります。

しかし、実際には「歌うってどういうこと?」「具体的にどう弾けばいいの?」と感じる人も多いのではないでしょうか。
音をただ並べるだけでは、どれだけ正確に弾いても音楽として魅力的には響きません。
ピアノで“歌う”とは、音一つひとつの向かう方向、呼吸、流れを感じながら演奏することです。

今回は、歌うように弾くための具体的な考え方と、実践しやすい練習方法を紹介します。

フレーズには「始まり」と「終わり」がある

まず意識したいのは、フレーズには言葉の文章と同じように 始まりと終わりがある ということです。
音を独立した点として扱うのではなく、線としてつなげる意識を持つだけで演奏が大きく変わります。
例えばスラーがついている部分は、ひとつのまとまりとして流れを作る必要があります。
音をただ均等に並べるのではなく、

  • どこに向かうのか
  • どこで収まるのか、息を吸う・吐くイメージはどこか
  • 一番大切な音はどれか

このような事を考えて弾くことで、自然な音楽の流れが生まれます。

ピーク(山場)を決める

歌う演奏とそうでない演奏の違いは、ダイナミクスの方向性にあります。
ずっと同じ感じで盛り上がっている音楽やずっと盛り上がらない単調な音楽なんてつまらないですよね。

フレーズの中で、どこが一番盛り上がるか=ピーク を決めましょう。
そうすることで音楽やフレーズの中にメリハリが生まれ、より魅力的な“歌っている”音楽になります。

息を吸う・吐く感覚

歌手はフレーズの前に息を吸って準備し、歌いながら息を流し、最後で休みます。
ピアノでも同じです。スラーの始まる手前で一度肩の力を抜いて「息を吸う」イメージを持つと、音の出だしが生き生きとします。

そしてフレーズの終わりで「息を吐き切る」ように音を収めると、落ち着いた終止になります。

歌うように弾くための練習方法

 ① 歌いながら譜読みする

最も効果のある練習方法は、実際に声に出して歌うことです。
歌えない箇所は、たいてい弾いたときも上手く流れません。

旋律を鼻歌でもいいので歌い、呼吸と方向感を体に覚えさせることが大切です。

② メロディだけ片手で弾く

伴奏がある曲は、まず右手メロディだけで練習して流れを確認します。
このとき以下を意識すると効果的です

  • ピークはどこか
  • どの音を一番聴かせたいか
  • スラーの最初と最後の音の扱い

③ 録音して自分の演奏を客観的に聴く

弾いているときの自分の感覚と、客席で聴いた時の音には大きな差があります。

録音すると、意外なほど音量が均一だったり、フレーズが途切れて聴こえたりします。

まずは短い8小節だけ録音して確認してみましょう。

 

歌う演奏ができると演奏が変わる

歌うように弾けると、演奏は格段に魅力的になります。

  • 音が自然に流れて聴き手が心地よく感じる
  • 表現の幅が広がりドラマが生まれる
  • 技術的な問題(力みや速さの不安)も改善しやすい

ピアノは歌声と違い、音を出した瞬間から減衰していく楽器です。
だからこそ、音に意図と方向を与えることが重要なのです。

まとめ

歌う演奏をするために必要なのは、

1.フレーズに方向をつける
2.ピークを決める
3.呼吸のイメージを持つ

4.メロディを歌う・録音する

この4つです。
ただ音を並べる演奏から、“語りかけるような演奏” へ。
ぜひ今日の練習から取り入れてみてくださいね!

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