Blogブログ

音楽の専門家ならではの視点から、さまざまな内容で記事を掲載していきます。

コンクールに出る人、悩んでいる人たちへ

こんにちは!JR山手線大塚駅より徒歩2分、ミュージックアカデミーラファーレピアノ講師の新林です。
皆さんはコンクールって受けたことありますか?賛否両論あるコンクールについて、園児の頃から大学生の今まで様々なコンクールを受け続けている僕が受けたことで得られたもの、感じたことについてお話しようと思います。
今受けている人、これから受けようという人たちの参考に少しでもなれば幸いです。

コンクールと向き合う事で得たこと

最初は「うまく弾けたらいいな」「賞が取れたらうれしいな」という、純粋でまっすぐな気持ちだけで向き合っていたように思います。でも、年齢が上がるにつれて、周囲のレベルも上がり、自分自身に求めるものも増えていきました。
同時に、「結果がすべて」「評価されなければ意味がない」といったプレッシャーが少しずつ心を覆っていくこともあります。それでも、今の自分を作ってくれた大きな要素のひとつが、間違いなく“コンクール”だと感じています。

コンクールがくれたもの:技術以上に、自分を見つめる目

締切があるからこそ、練習への集中力が増しました。
どこをどう仕上げたいのか、今の自分には何が足りないのか、どうすれば伝えたい音に近づけるのか——。
そうやって一つひとつ考えながら積み重ねる時間は、技術以上に「音に対する責任感」を育ててくれたと思います。

そして、本番という緊張感の中でしか得られない集中力や、音への没入感。
緊張しながらも「今この瞬間にしか出せない音がある」と思うと、むしろ舞台が好きになっていきました

また、他の参加者の演奏を聴くことで、自分にはなかった視点や音楽の魅力、新たな曲を知ることもできました。「もっとこう弾いてみたい」と思えるような刺激をもらえる場でもあって、それが今の自分の演奏スタイルにも繋がっています。

結果が思うように出ず苦しいことも

どんなにいい演奏ができたと思った本番であっても思うような結果が出ないことなんて数えきれないくらいあります。また、そもそも思うように弾けず友達が入賞しているのを横目に泣きながら家に帰ったことだって沢山あります。

それでも諦めずに挑戦し続けているのは、悔しさの奥に「本当はもっと伝えたい」「もっと弾けるようになりたい」という、消えない願いがあるからだと思います。

視点が変わったとき、音楽の楽しさが戻ってきた

もちろん結果が出れば嬉しいし、評価されることが励みになるのは事実です。しかし、そもそもコンクールの結果なんてもう一度やれば変わりますし、審査員が変われば変わります。会場が変われば変わりますし、ピアノが変われば変わります。
コンクールの結果なんてそんなものです。そう考えると徐々に、結果に一喜一憂しすぎるのではなく自分の思うような演奏ができたかを重要視するようになってきました。
今では、「勝つため」というよりは「伝えるため」に弾きたいと思って弾くよう考えています。
まあ、それでも勝てば嬉しいですし負ければ悔しいんですけどね笑

本番で「この一音はちゃんと届いたな」と感じられる瞬間があったとき、ミスをしてしまってもその後に自分の音で会場の空気を取り戻せた時の達成感。「あの一音で、全部がつながった気がする」と感じた瞬間の手ごたえ。そういう“見えない成功”こそが、今の自分を音楽に繋ぎとめてくれている気がします。

コンクールという舞台の、ほんとうの意味

コンクールは、自分と向き合うための場所。
他の誰かと比べるのではなく、「今の自分にできること」「この曲をどう感じて、どう届けたいのか」を試す時間だと思います。良い評価をもらうために音楽をするのではなく、誰かの心に何かが届くように自分の中にある音を信じて弾く。

そう思えたとき、コンクールという舞台はただの勝ち負けの場ではなく、「表現の場」になるのだと感じました。

いま、挑戦しようとしているあなたへ

音楽の道は、比べればきりがないし、うまくいかないこともたくさんあります。
でも、自分の音を信じて一歩踏み出した日々は、必ずあなたの中に積もっていき、あなたの大きな成長に繋がります。


一人ひとり違う歩みがあって、感じ方があって、音があります。

あなたにしか出せない音がきっとあります。

その音を信じて今日もまたピアノに向かってみてください。

関連記事

レッスン開講時間
平日  11:00〜20:00
土日祝 11:00〜18:00
※18:00以降 応相談

スタジオ貸出時間
平日  11:00〜20:00
土日祝 11:00〜18:00
※18:00以降 応相談

電話予約受付時間
平日  11:00〜18:00
土日祝 11:00〜18:00